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中二病でも恋がしたい!の映画が想定以上に面白かった件

中二病でも恋がしたい!-Take On Me- を急遽見てきた。想像以上に面白かったのでレビュー記事。一応ネタバレ注意。

 

「急遽」見ることになった経緯は以下の通り。

 

1/22は関東でも大雪が降った。初雪にしてかなりの大雪。

用事を済ませた後帰宅しようと思ったけど、駅は入場制限がかかるほどの大混雑。

運良く制限がかかる前に入れたが、ホームから落ちそうなほど人が溢れていた。

満員電車でぎゅうぎゅう詰めになることは火を見るよりも明らかだし、特に濡れた服で密着状態は避けたいところだ。

というわけでどこかで時間つぶしをしてから帰ろうと思い、そういえば中二恋の映画がやってたな思い出し、雪の降り積もる中劇場に身を運んだのである。

 

 

タイトルに「想定以上」と書いた通り、実はこの映画にはあまり期待していなかった。

 

というのも、1期の総集編映画は本当に総集編だったし(新規映像も少しあったし、七宮初お披露目でもあったけど)、個人的にはアニメの1期が綺麗にまとまったせいで2期は蛇足のように感じ、中二恋へのイメージがあまりよくなかったからだ。1期は好きだけど。

 

 

映画レビューにもつながるので、そもそも何で2期が微妙だと感じたのかを書いておこう。

 

これは一般論だが、恋愛を取り扱う作品において、女性向けと男性向けで話の展開は大きく異なる。

 

女性向けコンテンツは、男女が出会う→色々あって付き合う(割と早い段階で)→イチャイチャ→別れの危機or別れて他の男の元へ→色々あって仲直り→ハッピーエンド、みたいな作品が多い。

対して男性向けコンテンツは、男女が出会う→色んな事件が起こり主人公がそれを解決→平和になったところでヒロインをゲットして物語終了、である。

 

つまり女性向けはくっついた後が話のメインであり、男性向けはくっつく前が話のメインなのである。

男性向け作品には、「主人公は文字通りヒーローであり、事件を解決したご褒美としてヒロインとくっつく権利が与えられる」という暗黙のルールが存在する。

(自分含む世の中のオタク系男子が中々女性と付き合えないのも、この暗黙のルールに知らぬうちに囚われているから、というのは大いにあると思う。つまり何か大きなことがないとヒロインをゲットできない、と思い込んでるわけだ。)

 

というわけで、中二恋の二期が微妙だと感じたのは、「男性向け作品において付き合ったその後を描こうとしていたから」である。それを描くことはもはやタブーというか、描きようがないわけで、実際アニメ二期ではほとんど進展がなくて冗長であり蛇足だと感じた。

(ところでその点で言うと、1巻でヒロインとくっついたSAOは中々にすごいと思う。もともとWeb小説で続編を書く予定が決まってなかったからそうなったのだろうけど。でもやっぱりその後のキリト君との絡みという点でアスナさんの出番は減ってますよね。ALOでは囚われの身、GGOでは蚊帳の外、マザーズロザリオでは主人公だけどユウキとの関係に主眼が置かれている。)

 

 

はい、やっと映画のレビューに入ります笑。

映画の良かった点は3点。

 

1点目、付き合った後の関係性について一石を投じたこと。

上で長々書いた通り、男性向けコンテンツで付き合った後を書くことはタブーであり、よって2期は「お前ら本当に付き合ってるのかよ」状態だった。映画の冒頭でもモリサマーにつっこまれてたし笑。

それがうまく着地した感じ。途中で一回離れ離れになって、もう一回告白からのキスをしたことによって、今までの関係の継続でありながらも、同時にリセットもされ、「二人の恋はここから再スタートしますよ(でもそのあとはタブーだからお見せできません)」といった風になったので、付き合って終わりの男性向けコンテンツの落とし所としてはかなりうまかったんじゃないかなと。

中二病や恋に関して六花の内心が語られたのも今回が初めてだったと思うし、2期の段階でもなんだかんだで色々考えてたんだろうなと思うと2期も許せてくる。

 

2点目、タイトル回収のうまさ。

タイトル回収というのは作品の中でかなり大事なところだと自分は考えている。これが綺麗にハマると気持ちがいい。最近で一番良かったのは同じく京アニの「響け!ユーフォニアム」。タイトルには全く意味がないと思っていたのに、「まさか最後でそう来るとは思わなかった...」からの、「そこでそのエンディングを持って来るか...」のダブルコンボ。正直鳥肌が立った。タイトル変更した京アニスタッフはホントにすごいと思う。

そんな京アニスタッフが今回もやってくれました。不意打ちのタイトル回収、からのEDは1期OPを持って来るという神采配ぶり。拍手喝采である(心の中でw)。

 

ちなみにタイトル回収という点で論じたいこと。

個人的にはラノベの「〇〇の〇〇が〇〇で〇〇な件」みたいなタイトルが大嫌い。確かに注目は引くかもしれない。だけどその後の作品の内容に制限がかかりやすいこと、タイトル回収とか全く考えてないこと、そもそも品がないこと、これらの理由から長いタイトルは嫌い。

それと『君の名は』については、タイトル回収に関しては惜しいことをしたよなぁ、という感じ。「君の名前は」と「君の名は」は違うんですよ。(時間軸設定とかの細かいSF検証等は抜きにして)他は良い作品なだけに、タイトル回収に関しては残念。細かいことなんですけどね。細かいことが気になる僕の悪い癖。

 

3点目、京アニ作品とのコラボレーション。

映画の内容は、恋の逃避行をして全国あちこち飛び回るというものだが、そのあちこちが過去の京アニ作品の舞台なのが素晴らしかった。最近の京アニはガチで作り込んでる分、あまりこういった遊びをしないので見てて面白かった。他作品のパロディーは、ハルヒの「ふんもっふ」やらきすた以来なんじゃないだろうか。

個人的に嬉しかったのはハルヒの消失のレストランが出てきたこと。まさかそこが出るとは笑。駅前公園も映ってた。懐かしい思いにさせられた。

 

あとは去年から無計画旅にはまっているので、単純に楽しそうなことしてるなぁと思った。深夜バスとかフェリーとか、めっちゃ楽しそう。また今度旅をしよう。

北海道のシーンもちょうど去年旅に行ったので、見たことある風景が画面に映って楽しかった。

 

 

そんな感じで中二恋の映画はなかなか面白かったです。京アニ好きなら映画の中で聖地巡礼できるからかなり面白いと思いますよ。以上!